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アムステルフェーン市でクリスマスを

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kerst

2001年の12月クリスマスの一週間を、アムステルフェイン市で過ごした。着いた日は晴れていたものの、雨に打たれ、雪が降り、霰が落ちてきて嵐のような猛風の中の寒いオランダ。朝は遅くまで暗いし、夕方にはあっという間に日が落ちる。だから無理なくたくさん睡眠をとることもできてしまうのである。こんな休暇もたまにはいいか。クリスマス初日と2日目は親しくしているオランダ人家族宅におじゃまし、クリスマスリースを作ったり、お喋りしたり。オランダ料理もいただいた。ブーレンコール・スタンポッツとHEMAのソーセージに舌鼓を打ち、年末に食べるというオリボーレンやアップルフラッペンを手作りしたり。

何より楽しみにしていたのは…いっぱいありすぎて、書ききれるだろうか?

寒い冬のオランダを自転車でかけぬけめざすはアムステルフェイン市のショッピングセンターにある金曜朝市。まずはチーズ屋さんに。すぐに独特の匂いでその場所がわかってしまう。強風のため店をたたむところが多い中発見。今回は、ライツセカースが食べたいということで味見をして入手。他にはブルサンに似た味のハーブのまざったやわらかいチーズとスモークチーズ。朝食にはオランダの茶色い穀物たっぷりのパンにチーズをのせて、はい、いただきます。かめばかむほど味がいい。

kaas kaas kaas kaas

次にめざすは果物屋。風がびゅんと吹く。ここは天然の冷蔵庫。手袋の中の手が凍えている。あったあった林檎がいっぱい。緑の鮮やかなものから赤金の物、もちろん「ふじ」も置いてあった。とはいっても形は日本の林檎よりも小さく形も不揃いかな。でも、お腹がすいたらがぶりとかぶりつきたくなるサイズ。味も比較的すっぱめのものが多い気がする。だからアップルタルトやタルトタタンを作っても簡単にプロなみのお味に。あとは生クリームかサワークリームをそえて。色とりどりにきれいに並べてあり食欲をそそるのである。

appel appel fruit

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クリスマスにはオランダ人も少しは贅沢をする。例えば前菜にメロンと生ハム。ベジタリアンにはメロンのポートワインがけ。時には南瓜のスープがでたりする。サワークリームをのせてレモンをちょっと絞るとなかなか不思議な味がする。サラダにはサラダ菜にレタス、パプリカ3色、ラダイス(赤かぶの小さいの)、きゅうり、トマトをまぜてマスタード風味のドレッシング。山羊のチーズを四角く切って散らしても美味しい。また、モッツァレラチーズとトマトを輪切りで重ねれば簡単に一品できてしまう。ブーレンコールスタンポットには酢漬けのピクルスや子玉葱が欠かせない。もちろんローストビーフとHEMAのソーセージを添えて。ベジタリアンには馬鈴薯のタルト(トマトペースト入り)やシャンピオンやきのこのバター炒めカシューナッツ入りサワークリーム和えが人気だ。日本で食べたらカロリーオバーと思ってしまうが、乾燥した気候にはこのぐらいしっかり油分をとらないと肌がかさかさになってしまう。だからこそワインもすすんでしまうのだが。そしてデザート。パイナップルとマンゴーとキウイを一口大に切り、アイスクリームにたっぷりのせる。チョコレートタルトやオレンジのパウンドケーキもなかなか。あとはコーヒーと一緒にどうぞ、といった具合である。質素なオランダ人もクリスマスにはここぞとばかり、自慢の窓辺にイルミネーションや燭台・クリスマスツリーなど工夫をこらして飾りつけている。私が印象に残ったのはこんな手作りの暖かさである。

■ クリスマスリース

オランダの空が明るくなる10時ごろ、リング型のオアシスを取り出したのはオランダのママ。さあ庭に出るわよと連れ立って行ったそこには自然のめぐみ、冬でも青々としている針葉樹に蔦、夏からそのままになっていてドライフラワーになってしまった紫陽花など。これから机の上に飾るリースを作ろうというのであった。ママの雑コレクションのビーズや木製キノコ、本物そっくりの小鳥やりぼん、まつぼっくり、どんぐり、おりがみなどなど勢ぞろい。早速、えい、やあ、挿していく。7月から習っているいけば〜なの技術は活かせているのだろうか?空間を埋めるのに精一杯な気もあるが…。何処から見ても美しくあるべし、蝋燭が短くなっても燃えないように、などの制約をクリアしてできたはクリスマスリース。生ものにつき、その時期のみのアートという限定物である。

kerstkrans kerstkrans kerstkrans

■ 馬鈴薯を食べる人々

フィンセント・ファンゴッホが描いている馬鈴薯を食べる人々。ほんとオランダ人はおじゃがが大好き。さあブーレンコールスタンポットを茹でている間に皮を剥くわよ、と渡された袋は10kgのお米の袋よりも大きいんじゃないかい?机に新聞広げてはじから黙々と剥いてゆく。これまた早いんだな、彼女の剥き方は。真似しようとしても厚くなってしまう。やわらかくなるまで30分以上煮たら思いっきりジャガイモをつぶしていく。これはかなりの力仕事。お兄ちゃんがつぶす。ひたすらつぶす。熱っついうちにつぶしたら、そこにみじん切りにしてやわらかく煮ておいたブーレンコールを雑ぜていくのだ。このブーレンコール、日本の青海苔のような匂いがしたのであるが、食べるとけっこうお腹にずっしりとくる。だから一緒に酢漬けのピクルスや子玉葱が活躍する。酢キャベツが合うらしい。

boerenkool aardappels stampot

■ 年末に美味

olliebollen

クリスマスがすぎると、街には揚げ物をあつかう出店があちらこちらに。フライドポテトにマヨネーズ・ピーナッツソースもいいけれど、違うみたい。ドーナッツかしらなんて思っているとそれがオリボーレン。牛乳とドライイースト、小麦粉にお湯で戻した干葡萄やドライのアプリコットを入れる。おやつに食べようかな、なんて思っていた林檎もみじん切りにして入れてしまおう。暖かいところに置いて発酵したら2本のスプーンでくるくるっと形を作り、たっぷりの油で揚げるのだ。あつあつのうちに粉砂糖をふってパックといくのがグッド。口のまわりが真っ白になっている人がいたら、はてさて、何を食べたのだろうか。

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オリボーレンと並んで子どもに大人気なのがアッペルフラッペン。そう、林檎の心を抜いたら、適当な厚さの輪切りにします。ドーナッツ型のできあがり。そして、ビールで小麦粉をといたところに入れてしっかりと衣をつけて揚げるだけ。浮いてきたところを取り出していただいてみると、中からはやわらかく林檎ジャムのようにとろっとした林檎がでてくる。いうなれば林檎のてんぷ〜ら。

ほんとに熱いのでくれぐれもご注意ください。

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オランダに行くといつも色々な生き方をしている友人や知り合いに会える。オランダ人は若いときからしっかりしていて、独立心もあり学ぶところが多い。これはちょっと、と思う場合もあるが、きちんとその理由を説明してくれるので何時の間にか納得してしまう。気さくで、気軽に一杯のコーヒーを分ち合いながら何時間も話すことが得意だ。昨日会った人も、一年前に会った人も関係なくその空間を会話をすることで楽しんでいるのである。ちなみに商売の話しも大好き。どこかに儲け話が転がっていないかといつも鼻をくんくんしているのだから。計算も早い早い。どこからワインを仕入れてきたらどうかとか、すぐに物件があると家賃を計算したり、自動車に乗って休暇に行き、現地で売って飛行機で帰れば旅費が浮くとか、新しい商品はないかと常日頃から目を光らせている人もいるのだから。今回お会いしたアムステルフェイン氏に在住の日本とかかわりの深いオランダ人は二人とも格好良い生き方をしている。アーティスト&茶人。

■ フォトグラファー

Paul van Riel

ポール・ファンリール氏。写真家。日本人の奥様はイラストレータ。お二人はフランスで出会い、オランダに住んでもう20年以上だそうだ。とても気さくで笑顔が素敵。二人のお子様はなんと私が通っていたアムステルフェイン市の同じ学校に通っている。そんなご縁もあり、日本ではじめてポールさんにお会いしたときに意気投合してしまったのである。その時オランダの地図とチューリップを模った振袖を着て歩いていたのがよかったのだろうか?クリスマスも過ぎた雨の降る一日、オランダはノールトホラント州にあるポルダーの町、ベイムスターを車で訪問した。お気に入りのドライブコースだそうだ。残念ながら年の瀬、インフォメーションセンターと併設されている博物館は閉まっていたがそこで揚げたてのブローチェクロケットを食し、皆様ご満悦。ここのホルダーはかれこれ作られてから400年になるという。平戸市にデ・リーフデ号が着いて日蘭交流が始まった年月と同じである。ここでは果物を栽培している農家が多い。お子様が大好きな一軒の林檎農家アップルマンに寄る。なるほど、袋い〜っぱい、箱い〜っぱい買ってもお買い得。さて、あとでママは何を作ってくれるかな?また、こちらの場所はアムステルダム市の富豪が避暑用に持っている家も多いとのこと。なるほど、素敵な農家が多いのも目に付く。オランダ風景を写した絵葉書を見つけたら裏を見てみて下さい。彼の名前が載っていますよ。

■ 茶の湯 イン アムステルフェーン

chanoyu

茶の湯は一碗からその暖かさが国境を越えて伝わっていく。だいたい海外旅行に出かけるときは抹茶と茶筅を持っていく。けっこう喜んでもらえるからだ。ヘルマン・ソムセン宗周先生はアムステルフェイン市で奥様とともに裏千家オランダ連絡所の茶道講師をなさっている。お二人とも京都で茶の湯を学ばれた。ふと思うときがある。日本に来ている外国人は私なんかよりもずっと日本を知っているのではないか。人それぞれ色々な角度で物事を見ている。私に見える緑は、彼に見える緑とは違う。だから面白い。オランダに行って一服のお茶をいただく。オランダの友人が日本で一服のお茶をいただく。そうやって、文化交流がされる。私のこんな経験は、ほかに誰もしたことがない。だから毎日が楽しいのである。

chanoyu さて、私が彼に出会ったのは、茶の湯で夏にハワイに行ったときである。オランダ人の茶人に会ってみたいと思っていたときでもある。この訪問も私たっての希望であった。師走の忙しい時に、おてんば娘のこのアムステルフェインっこを手作りの和菓子と抹茶で暖かく歓迎して下さった。体格も大きくてのっしりとした感じはまさにオランダ人。一緒に行ったオランダ人のパパとママもびっくりしたのは、オランダ独特の長屋のなかに畳を敷いて障子があり、水屋があり、炉が切ってあって茶室になっているということである。同じような家に住んでいるのにねえって。二人は、はじめての正座(もどき 笑)にチャレンジ。洋室の中の和室。和洋折衷とはまさにこんなことなのでしょう。

アムステルフェイン最後の日、つかの間の曇り空に散歩にでかけた。ポルダーの方まで歩いて10分ぐらいだったか。ほかにも散歩する人々と挨拶をしながら足を進める。すると水辺で遊ぶ鴨の先に小さく見える風車の上空に光が差し込んだ。この光景どこかでみたことあるぞ。そうだ、オランダの風景画そのものなのである。美しい。通りすがりの白髪にハットを被るおじいさんと、しばし共に見とれてしまった。

お世話になった皆様本当にありがとうございました。

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