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Kikker en Eend

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Kikker

オランダの友人から二冊同じ本をいただいたことがあります。

その本とは、Leopold出版 Max Veldhuijs の 「Kikker en Eend」です。

かえるくんとあひるくんは、なにをするときも、いっしょ。おさんぽしたり、およいだり、さかなみたいにみずのなかをおよぐときも。みなもにぷかぷかするときも、おうまさんごっこするときも。あめがふってきたのでいえにかえっても、ぼくたちはいつまでもともだち、といいながないっしょにベッドでねんねします。

シンプルな線で描かれた動物を眺めていると、幸せな気分になってきます。おじいちゃん(おじさん)が描いているなんて、きっとだれもイメージしないでしょう。

2007年2月、東京駅の上の大丸ミュージアムで開催されていた、オランダ絵本作家展では、かえるくんの生みの親で2005年1月に他界したこのマックス・ベルジュイスの作品がやってきました。 それからミッフィーちゃんの生みの親であるディック・ブルーナ、ペッツィー・バックス、アンネマリー・ファン・ハーリンゲン、イヴォンヌ・ヤハテンベルフ、ヤン・ユッテ、ウィリーマイン・ミン、 ハリエット・ヴァン・レーク、ヒッテ・スペー、ハルメン・ファン・ストラーテン、マーリット・テーンクヴィスト、アレックス・デ・ウォルフ といった現在活躍中の絵本作家の原画、約150点が展示されてました。

なによりも気に入ったのは、カタログ。一般的なカタログとちがって、斬新なんです!
絵本みたいな作りになっているので、2歳の娘もしょっちゅう手にとっては、ママこれ読んでと声をかけてきます。カラフルな色使いに各絵本作家さんの絵がちりばめられていて、ストーリーの要約もあるので、絵をみながら説明しやすく、親子でエンジョイでききちゃいます。

あわせて、2月5日には、マックス・ベルジュイスと昔からの仕事仲間で、ベテラン編集者、現在はレオポルト出版の代表をつとめるリースベット・テン・ハウテンさんが絵本作家のハルメン・ファン・ストラーテンさんと一緒に来日し、そこでJBBY岩波書店共催 国際講演会「オランダの子どのも本を語る会」が開催されたのですが、そこにも参加することができました。

ハルメン・ファン・ストラーテンの『おじいちゃん わすれないよ』は、2003年「産経児童出版文化賞大賞」を受賞していますが、たまたま昔オランダで購入しおきっぱなしになっていた本が同じく彼の挿絵だったので、その読み物『He, scheids! 』を持っていったら喜んでいただけました。

『He, scheids! 』は森でキャンプしていたサッカー少年・少女たちがどろぼうをつかまえるお話です。サインをお願いしたら主人公の少年Timの絵も描いてくださいました。とても、繊細で、やさしくて、やわらかくて、でも思ったことは実行にうつす、そして時にこわれそうな感じもある作家さんといったイメージが残ります。

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そして今年、『かえるくんでよかった』マックス・ベルジュイスの生涯と歴史 (ヨーケ・リンデルス、野坂悦子 訳)という一冊の本、研究書が訳され出版されました。それにともない筆者のJoke Linders さんが来日され、 翻訳された野坂悦子さんが通訳をされた講演会にも参加してきました。

ヨーケさんがマックス・ベルジュイスの自伝を執筆することになったきっかけとは。レオポルト社のリースベットさんが、かねてから自伝出版のお願いしていましたが、いやだいやだと断り続けていました。ところが、とうとうマックスがその気になったとき、子どもの本の書評を書いているヨーケさんだったらぼくの自伝を書いてもいいだろう、と答えたからだそうです。

ヨーケさんは、マックスに会い、たくさん話をしているうちに、絵のこの部分がマックスの経験、実体験がいかされているんだ!ということがわかるようになります。すべてのことは自分の心(魂)からでてきているというマックス。でも、かえるくんは最初、脇役でしかありませんでした。こびとくんのお話のなかで、かえるくんは家をさがす主人公に透明のガラスのジャム瓶を紹介してくれるのです。

このときのかえるくんは、まだキャラが定まっておらず、指のひれの形がところどころで違ったり、首が太かったりします。まだ赤ちゃん体系をしていました。

5から6冊描いたところで、マックスはこの王子様の化身・幸運をもたらしたり、ゆたかな土地の象徴とも考えられる「かえる」を主人公にストーリーを考えるようになりました。かえるくんはマックスと同じように幸せ・安心できる家を求めるようになります。

作家と画家が同じ人のことをヨーケさんはダブルタレントとおっしゃていました。マックスもそんな人の一人です。62歳のときにかえるくんシリーズははじまりました。二回目の結婚で、息子が生まれたのをきっかけに、自分は好きなことだけをしようと思ったマックスから、かえるくんは生まれました。

では、はじめは人間も描いていたのに、どうして動物ばかり描くようになったのでしょうか? マックスは、動物のほうがそれぞれの特徴を出しやすいと考えました。動物に洋服を着せ色を鮮やかにし、大好きな緑色のかえるに、赤と白のパンツをはかせたのです(実はパンツの下をどう描いたらいいかわからなかった、という話ですが・・・)。

動物は話さないので、動物が会話することによって、現実の世界よりも牧歌的で理想的な世界を作り出すことができたのです。それはただのメッセージというよりはマックスの人生の中から伝わってくるものでした。友達、友情、愛、あるいは外国人に会うとちょっとこわいなと思う感覚、人生の中の大切なことを示してくれているのです。

2004年、南アフリカのケープタウンから帰国して4ヵ月後の13冊目の本を執筆中に彼は亡くなりました。国際アンデルセン賞にノミネートされていたのは知っていましたが、まさか自分が受賞するとは思っていなかったでしょう。

未完成で終わった最後のかえるくんは、強い風のせいで自分の家の庭の木がたおれてしまったというストーリーでした。おとぎばなしや、寓話とも違う、人生における瞑想、自分は誰か、大切なことは何か、友達とは何かと問いかけてきたマックス。自由を求めてきたマックス。戦争中に育ったこともあり、友人とビールを飲んだり、おいしいものを分け合ったりすることが好きでした。そんな場面も絵本のなかでたくさん見ることができます。

マックスはみんなのかえるくんの生みの親として、いつまでも愛されることでしょう。

さて、『かえるくんでよかった』マックス・ベルジュイスの生涯と歴史 は、オランダの歴史も垣間見ることができる、まさに、オランダの児童文学を愛する方々にとって、間違いなくバイブルのようになるでしょう。翻訳をしてくださった野坂悦子さんい感謝です。

野坂悦子さんのホームページ:http://www.green.dti.ne.jp/nozaka/

2008年は日蘭修好通商条約150周年、2009年は朱印状を交わした時代から日蘭貿易400周年になります。これからどんどん日本とオランダを結ぶイベントも増えることを願います!


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