[PR]看護師の好条件な求人情報満載:転職活動なら看護師専門サイトにお任せ!

waranda journal
arts
シンポジウム 「オランダ現代美術とその環境」

 オランダ現代美術とその環境
 オランダのアートサポートシステム
 参考資料
 HOME

オランダ現代美術とその環境 TOP

ART
2000年8月2日[水]から10月9日[月]にかけて、展覧会 territory(テリトリー:オランダの現代美術)が東京オペラシティギャラリーで開催されました。それに伴い、8月4日(金)、シンポジウム「オランダ現代美術とその環境」が行われました。その様子をこちらでレポートしたいと思います。

参加パネラーは全部で4人。オランダからはスペイン出身で、現在ロッテルダムの Witte de With(ウィッテ・デ・ウィット現代美術センター)ディレクターの Bartomeu Mari(バルトメユ・マリ氏)と、オランダとニューヨークをベースに活躍する女性アーティストで Duende (デュエンデ・スタジオ)の代表でもある Liesbeth Bik(リスベス・ビック氏)。日本からはインディペンデント・キューレターで、 territory(テリトリー:オランダの現代美術)企画担当の神谷幸江(かみやゆきえ)氏と進行役として東京オペラシティギャラリー(TOCAG)キューレターの片岡真実(かたおかまみ)氏が参加。

オランダ現代美術における政府のサポートや現状をそれぞれの視点から多面的に比較し、オランダにおける文化政策と美術館や創作的活動についてディスカッションされました。

Bartomeu Mari (バルトメユ・マリ氏)

マリ氏は南スペインの出身。スペインで哲学を学び、ベルギー、スペインで学芸員を勤め、1996年から オランダ Witte de With(ウィッテ・デ・ウィット現代美術センター)のディレクターです。Witte de With(ウィッテ・デ・ウィット現代美術センター)は1990年、 Rotterdamse Kunststichting(ロッテルダム芸術財団)により、 Ministry of Education, Culture and Sciences Zoetermeer(オランダズーテメア市教育・文化・科学省)、 the Municipality of Rotterdam(ロッテルダム市)のサポートのもと、ロッテルダム市に設立された財団です。コレクションは所蔵せず、企画展をメインに活動しています。1990年から95年までは、 Chris Dercon(クリス・デルコン氏)がディレクターを勤めていました。Liesbeth Bik(リスベス・ビック氏)もこちらの the Board の一人。

⇒ロッテルダム市とは?
スライドとともに簡単なロッテルダム市の歴史を紹介。同市は第二次世界大戦でドイツによる爆撃を受ける。復興のため、町の市議会が文化事業に力を入れたこともあり、市内には比較的モダンな建造物が多く建てられている。世界最大級の港町。彼自身を含め、人口80万人のロッテルダム市民、その人口のうち50%は純オランダ人ではないが、彼によると、オランダという国は移民や外国人を受け入れる体制が政府そのものから成り立っており、外国人を受け入れやすい環境になっている、ということです。

Liesbeth Bik(リスベス・ビック氏)

ビック氏は1984年、アートスクールに在籍中からロッテルダム市で12人のグループの Duende(デュエンデ・スタジオ)の活動をはじめました。スペースをオープンスタジオにし、展覧会で作品を紹介したり、ミュージカルや舞台をしたり。また、地域の人々やアートと全く無関係の人々とコラボレーションプロジェクトを行ったり。94年スタジオの移転を機にスペースが増え、アーティストの人数も増えました。スペースの中には貸しスタジオも設け、現在は40のスタジオが集まっているとのことです。また、アーティストの長期滞在プログラムや、若いキューレターを呼んで企画展をしたりということもしています。

神谷幸江(かみやゆきえ)氏

毎年アムステルダム市にある DE APPEL(デ・アペル財団)では世界各国から5人のキューレターを招き、 the Curatorial Training Programme インターナショナルトレーニングを提供しています。その一人に選ばれ神谷氏は97年から98年をオランダで過ごしました。ニューヨークにいた経験もあり、インディペンデント・キューレターとして活動しています。

日本の展覧会では、戦略的記念展というのがあります。今年は日蘭交流400周年ということもあり■オランダ■が注目されている国になります。今回の展覧会のテーマ「テリトリー」で神谷氏は、ステレオタイプのイメージしかないオランダを、違う角度から紹介しています。今(空間)の概念が400年たってどのような意味をなしているのか?今年をきっかけに私達の空間概念、現代にあっての「テリトリー」=領域について問いかけています。

⇒DE APPEL(デ・アペル財団)とは DE APPEL(デ・アペル財団)は、1975年に設立。パフォーマンスを中心とした形のないアートをテーマに、コレクションは所蔵せず、企画展のみを行っている。しかし83年、飛行機事故で当時のスタッフは総入れ替えに。現在は新しい芸術を創作したり、様々なプレゼンテーション、プロジェクトやリサーチをする有名、無名のアーティストにスペースを提供。毎年ソロからグループ展までの企画展を年6回開催し、オランダの大衆に世界の現代美術を紹介しています。

オランダのアートサポートシステム TOP

1994年設立の Mondriaan Foundation(モンドリア‐ン・ファンデーション)では美術、デザインや美術館を金銭面でサポートしています。例えば Witte de With(ウィッテ・デ・ウィット現代美術センター)では、年150万ギルダー(約7500万円)のうちその4分の1をこちらから受けています。ビック氏の Duende(デュエンデ・スタジオ)もこちらからのサポートがあります。日本の財団の場合は、年に一回、11月にしか審査を受け入れないのに対し、オランダでは随時受け入れ、財団によっては3ヶ月に一回審査したりするのでリアクションも早く、展覧会を企画しやすいということです。

美術館やギャラリーといえば、いつも問題になるのはその財源です。そのスポンサーのつきかたは様々。20年前からアートはエンターテイメント化してきています。現代のモダンアート化現象です。例えばロンドンのテートギャラリーなども、その注目は集客数に結び付けられています。オランダ Witte de With(ウィッテ・デ・ウィット現代美術センター)では年間 80,000人のビジターがありますが、まだまだ成功しているとはいえない数だとのことです。展覧会がエンターテイメント化していくのは、ニューヨークのギャラリーやテイトギャラリーを見て分かるように、どこから財源を確保するかが影響しているといいます。そのため入場者収入に頼らなくてはいけないという現実もあります。

例えばニューヨーク市では、商業性が高く、また企業などのスポンサーも多いため、企業側も集客を求め、エンターテイメント的なアートやインパクトの強いアートが好まれます。商業的であるが故にギャラリーの数も多く、コレクターにもパワーがあり、だからこそギャラリーにも影響を与えて活動が盛んになっています。

一方、オランダでは国や市からのサポートが多いため、アーティストやアート関係の機関にとってその必要性は少ないといいます。オランダでは、形のないアートやプロジェクトもの、物に固執しない体験的アートが多く見られるのもそのためでしょう。アートのプライベートマーケットは驚くほど小さく、ギャラリーが少ないだけでなく、ビジネスとしてのマーケットが小さいのは、政府のサポートの影響力が大きいからでしょう。

ギャラリーといってもそのほとんどはアムステルダム市内にあり、そこに置かれている作品もほとんどが同市のライクスアカデミー、アトリエ出身のオランダやインドネシアのアーティストによるものです。隣国のベルギーと比較してもプライベートコレクターはオランダでは少ないのです。

オランダでのキューレターの使命、それは「新しいアーティストを探し出すこと」です。金銭的にサポートしてくれる政府からの要請は「より若い人々に魅力的になれ」ということ。オランダは国籍の違うアーティストにも開かれており、有名な人でなくても新人の展覧会を比較的受け入れてくれます。また、国は小さいのに、作品を露出していける場所も多くあるということです。

ちょっと前までは税金に芸術っ作品の物納といった形もとり入れられていました。オランダのアーティスト自身も精神的に自立していて、自分たちでスタジオを運営したり自分たちで展覧会をオーガナイズしたり、彼らの体制は受身ではありません。

オランダや北欧では、世界的現代美術の流れの中でも突出した国際的若いアーティストが多いのはなぜでしょう?こんな質問もでました。

アーティストにとって文化的背景は重要であり、その影響は大きくなります。オランダでは、政府が経済的にサポートしており、アーティストにとって経済的困難は少なくなります。また、オランダではスマートメディアやマスメディアが盛んで、その影響力も強く、それを利用することで人々の興味をそそり、動員し、人々にどこに何があるかというインフォメーションを提供しています。日本のメディアではどちらかというと、情報を流すことに徹底してしまっており、メディアが情報戦争の場となってしまっています。そのため、新聞における文化欄スペースも少なく、書き手、読み手、考える人が少なくなるのです。トピックスをプレビューだけでなく、レビューとしてとりあげられるようになれば、自然とアートと一般人が対話する形ができてくるのですから。

最近ではウェブサイトといったエレクトロニクスを駆使した情報の広がりにより、インフォメーション=情報は事前に知り得ることができます。だからこそ、今後はクリティシズム=批評が面白くなっていくのです。情報の流布によりテリトリーという仕切はなくなり、その時に実際に作品を見られるということが非常に重要になってきます。

今回のシンポジウムの印象ですが、アート分野でのIT関係の発展がキーポイントになっているように思いました。アートを見に行く前にちょっとインターネットで調べるだけで、容易に大量の資料を得ることができますし、もちろん現在進行中の活動等もアップツーデイトに知ることができるのですから、それを手段として活用しない手はないでしょう。

 参考資料 TOP

■Website of Tokyo Opera City Gallery
■Website of Witte de With
■Website of DE APPEL
■Website of Mondriaan Foundation

Copyright© waranda journal all right reserved
 

[PR]車当る!高収入アルバイトより:お得!?更に無料で50万もプレゼント♪